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最近の6年生を見ていると特に感じる事

最近の6年生を見ていて感じる事を記しておきますね。

 

最後には5年生や4年生の話に繋がりますので、しばらくお付き合いください。

 

最近の6年生は、小学生最大のサッカーイベントの全日本選手権のブロック予選に向けて、最高のプレーが出せるように努力しています。

 

「ユウタみたいに前に前にしかける奴が6年にはいないんだよ」

 

ある時、6年生のキャプテンのソラが私に言いました。

ソラからユウタの評価を聞きたいと思って聞いた答えでした。

 

私はふ~んと感心したものです。

 

これはサッカーをどのように考えるかって話につながります。

ソラのプレービジョンには、『シカケル』というものが明確にイメージ出来るんだという事です。

 

そして、ユウタの事を唯一コントロール出来る6年生が、このソラでもあるのです。

すでに信頼関係が出来ています。

ユウタを見ていると実直にソラの指示に従いながら、自分を表現しようとしているみたいです。

 

「ユウタGO!」

 

今度の試合でもソラの指示が飛ぶ事でしょう。

 

さて、4・5年生のお話になります。

 

ユウタは比較的足元でボールをもらいたがる傾向があります。

 

しかし、ソラによりそれは少し違ったものになりつつあります。

 

それはプレービジョンをお互いに共有しているからと言えます。

 

「なんだよ前回はプレーモデルで今回はプレービジョンかよ」と思われる方もいるかもしれませんが、しばらくお付き合いください。

 

このプレービジョンこそ、選手個々が瞬間瞬間に判断しているプレーそのものです。

いわゆる「こうプレーしたい」が詰まっているのです。

 

日本サッカー協会にはパスの優先順位が示されています。(今度詳しく解説します)

相手選手の裏(背中)、相手選手と選手の間、すぐに前における位置へのパス、相手に取られない位置へのパスなどがその優先順位(基準)です。

 

先ほどのソラの優先順位も同じです。

そして、ソラの優れている点は、パスを出した後も献身的にプレーに関わり続ける事が出来る点です。

 

ユウタに対して裏への動き出しを要求するパス、間を通すパス、ユウタと相手DFとの間合いを見て、ユウタの体の位置から、どのあたりにパスを入れるべきか?を考えながら様々なパスを繰り出します。そして、ユウタの足元に預けるパスの場合はすかさずワンツーを要求しますし、いったんユウタに預けた後に、相手のマークのスライドが早いと、すかさず自分にボールを戻させ、逆に展開します。

 

さて、4・5年生にここまで考えながらプレーしている選手が何人いるでしょうか?

 

コウは少し考え始めているようですし、考えとプレーが少しずつ一致し始めて来ています。

コウタもでしょうか?

 

実はシンノスケもその一人です。

 

昨日の体育館練習において、シンノスケが右サイド、ハヤトが左サイドにポジションしている場面がありました。

 

ボールはまさしく自分たちのキーパー(ルカ)へバックパスがされている瞬間です。

シンノスケはチェックの動きを入れて、相手のDFと駆け引きを始めました。

一方、ハヤトは動かずです。

プレーをとめて指摘しましたが、ハヤトは理解出来ていないようでした。

 

あの場面で、シンノスケはパスの優先順位を考えて動いています。

自分をマークしているDFの裏(背中)をキーパーに狙わせる状態を自らの関りで作り出そうとしていました。

(と私には見えました)

ハヤトは残念ながら、ボールを見て動きを止めていました。

 

これは、シンノスケと比べても1学年下という事を差し引いても、そろそろハヤトを始め、4年生も理解しなくてはなりません。

 

全て足元から始められるサッカーは3年生までです。

つまりパスの優先順位に基づき、ボールホルダーに対して関わらなければならないのです。

 

5年生で言えば、タイガもこのことはまだ理解出来ていません。

ただタイガに関しては、まだ若草FCに来てから1年しか立っていません。

 

以前いたチームではそういった事は要求されて来なかったでしょうから、一からサッカーを理解しなくてはならないかもしれません。

身体能力は高いので、何だか出来てしまっているのが現状ですが、各プレーエリアごとの約束事を理解し、それを実行するための判断基準、そしてそれを実行できる技術が備わらなければなりません。

 

「動け」

では選手は動けません。

 

「パスの優先順位は?」

 

「裏(背中)とか間です」

 

「じゃあパスが出て来るタイミングは」

 

「仲間が何でも出来る状態です」

 

「じゃあいつチェックの動きをいれればいいの?」

 

「仲間が蹴れる準備をする前です」

 

これで始めて選手は考えて動くという事が出来ます。

 

①仲間が蹴れる前にチェックの動きを入れてマークを離しておこう、または裏に入れやすくするために外側のレーンに移動しておこう。

 

②よい動いたぞ、しめしめ相手もうまくついて来てくれているぞ

 

③おっ!仲間も良いトラップでパスを出せるタイミングだ!裏に向けて走り出して斜めのパスを引き出してみようかな

 

こんな感じで、サッカーの動くは構成されます。

 

そして、この瞬間に最も出ている悪い事象は「ボールを見ている」という事になります。

 

我々スタッフはこの点を言葉で伝えるだけでは無く、トレーニングメニューを考え」、トレーニングの中で理解を深め、身体を動かせる選手になれるように指導しています。

 

こういった事が分かれば、いずれジュニアユースや中体連でサッカーをやる時にも、サッカーを本質的に理解しているので、どのようなサッカーにもアジャスト出来ます。

 

「うちの子は試合になると動けない」

「試合に出るとどう動いていいかわからなくなる」

スクールをやっていると、良く保護者からの質問を受ける事がありますが、そもそもそういった優先順位を理解していないと、なぜ動けないかの質問に答える事は出来ません。

 

本日は6年生を見ていて感じた事を記しました。

 

保護者の皆さんもサッカーを見る時の視点にしていただけたらと存じます。