いよいよ【全体的なガイドライン】について解説していきます。
この内容は、5年生と4年生全員が把握していなければならない内容です。
全てテストに出ます!!(笑)
なので、さらっと流さずにして欲しいなと。
≪ガイドライン = 指針≫ですので、指針を理解していないと、トレーニングで何でそのコーチングされているのかが分からないままになってしまいます。
我々、コーチはこの【全体的なガイドライン】は次回以降に解説する、【守備のガイドライン】【守備から攻撃のガイドライン】【攻撃のガイドライン】【攻撃から守備のガイドライン】の基礎となる事なので、サッカーの4つの局面を意識したトレーニングを行う際に対して、それらの大前提としながら取り組むものです。
それぞれの4つの局面の≪指針≫は、全て【全体的なガイドライン】から派生しているものです。
コーチもそれを意識してトレーニングしています。
では、最初から見て行きましょう。
①ボールを保持し続ける
→ボールを保持する及び意図的な囲い込みによるボール奪取などは攻守に渡るサッカーの楽しみに繋がります。ボールを保持しないというサッカーもありますが、育成年代においてはそれは難しいと考えています。もちろん、相手のレベルが高ければ、普段できているボールの保持が出来なくなります。相手のレベルに応じて、どのようにボールを保持し続けるのかを考えられる選手にもなって欲しいと思います。(具体的には、タッチ数を少なく、早くボールをチーム内でまわす、や、ドリブルを多用し、突破出来ない時は、キープをしながらコンビで崩すなどです。)
ボールを保持するはいわゆる、相手に簡単にボールを保持させない(前進させない・進入させない)という事も意味しています。
②試合を常にアクティブにする
→アクティブは自分から関わり続けるという意味です。試合に積極的に関わり続ける事、自らアクション(対応)する事を理想としながら、リアクション(相手の対応を見て対応する)も柔軟な対応として、広義に考え、それもアクティブと捉えます。
③時間的・スペース的制約の中、相手からのプレッシャーの下、最適解を見つける
現代サッカーは、時間的・スペース的制約が常に要求される中でのプレーを強いられる事から、各エリアでの『優先順位』を意識しながら同時に、常に『最適解』を導けなくてはなりません。そして、それはコレクティブ(組織的)でなければなりません。つまり、ボールの側の選手だけでは無く、コート内全てにおいて、『優先順位』と『最適解』が求められる訳です。例えば、相手エリアにボールがある時に、キーパーはどうコレクティブ(組織的)になるかと考える必要がありますし、自分から関わり続けるという②のガイドラインも含めなければ、『最適解』を導く事なんか出来ないでしょう。
④異なったプレーシステムでプレーが可能
相手が繰り出すチーム戦術に対応する為に、試合中においてもコレクティブにシステム変更を行うべきです。(そして、それはトレーニングで行うゲームにおいても同様にコーチングするポイントとなります。)
つまり、相手の戦い方やフォーメーションを見て、感じ、コート内にいる選手同士で、どうアジャストするかについて、すぐに解決手段を導かなければならないという事です。
⑤1対1を探し毎回勝つ
目の前の1対1だけでなく、その後進入するスペースにおいても1対1を探しながらプレーしなければなりません。さらに、1対1に勝つために、基本的なサッカースキルの向上は必須の事となります。ボールホルダーが、1対1となる所に運ぶ事だけでは無く、パスで素早くその場所にボールを送り込む事で、次の場面で違う選手が1対1を始める事が出来るようにプレーする事も、もちろん含まれます。
⑥賭けるのではなく、予測する
『ヤマ』をはるのではなく、予測する事。言い換えれば個々の『プレービジョン』であるし、それらが『コンビネーション化』される事で、チーム戦術にも昇華されるものです。つまり、お互いのプレービジョンが共有されるという必要があるのです。
⑦お互いにコーチングし合う
時に間違う事もあると思いますが、選手同士のコーチング(導き)はコンビネーションの基礎的スキルとなりますし、自分から関り続けるという②の要素である、試合を常にアクティブにするにもつながります。
以上、7つのガイドライン(指針)は全ての指針の基本となるものです。
4つの局面においては、基本となる【全体的なガイドライン】を、さらに詳細にしているだけであり、基本からそれるものではありません。それぞれの局面において、7つの全体的なガイドライン全てが適用となる訳ではないので、それぞれの場面において、特に強調しておきたい事に絞っています。
ですから、全体的なガイドラインがわかっていないと、詳細なガイドラインとバラバラに理解する事となり、とても大変な作業となりますし、そもそもそんな事をしても、サッカーの理解が深まりません。
是非、ご家庭でも、7つの全体的なガイドラインをご理解いただき、普段の会話でも使っていただけたらと思います。
くどいようですが、我々スタッフは、この全体的なガイドラインの要素を分解し、各トレーニングにちりばめながら、理解を促します。
例えば、2対2対2+4フリーマンのトレーニングを行った場合、「どう保持するか?」「どう囲い込むか?」「どうアクティブになるか?」「どんな解決手段があるか?」などを選手に考えてもらいながらトレーニングに取り組みます。
「ボールを保持しよう」
という言葉だけを投げかけて子ども達が上手くなるのでしたら、コーチは入りませんよね。
私はそういった言葉だけで子ども達が上手くなるとは到底思えません。
ですから、ブログでお示しした内容について子ども達とは、トレーニングの中で向き合う必要があります。我々コーチが言葉で示すのは『基準』(指針)であり、場面場面での解決手段(最適解)は選手に考えて貰えるようにトレーニングして行きたいと思っています。
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